Category: 豆知識

酸価、過酸化物価について

私たちの周りには油脂を含む食品、油脂を使って加工された食品がたくさんあります。食品中の油脂は、食品を空気になるべく触れないようにして低温下で保存すれば品質はほとんど変化しませんが、長時間空気に触れたり、高温で加熱したりすると酸化されて変質します。油脂の変質は食品の品質に大きく影響し、変質が著しい場合は異臭を生じたり、栄養価の減少が起こる場合もあり、安全性にも問題が出てくるため変質の度合いを評価することは重要です。油脂の変質の程度の参考となる値として酸価、過酸化物価、カルボニル価、ヨウ素価などが挙げられますが、今回は一般的に油脂の品質評価によく用いられる酸価、過酸化物価について紹介します。

食品事業者によるリコール事案の傾向について

令和3年6月1日から、食品衛生法及び食品表示法に基づき食品事業者が自主回収(以下、リコールという。)を行った場合、行政機関への届出が義務化される食品等リコール報告制度が施行されました。この制度は、行政が食品事業者によるリコール情報を確実に把握し、的確な監視指導や消費者への情報提供につなげることにより食品による健康被害の発生を防止することが目的です。また、消費者にとっては速やかにリコール情報を把握することができ該当する食品の喫食を避け回収に協力することができます。食品事業者は、届出されたリコール情報を常に把握することで、安全な原材料等の仕入れに活かすことや、自らの施設において起こり得る事案かどうか把握し、未然防止に努めることも可能です。

食品分析に供する検体の均質化に使用する調製器具とその洗浄方法について

食品分析を行う場合、もともと均質な検体でない限り、分析対象成分の偏りをなくすために均質化が必要である。食品分析において検体の均質化に使用する調製器具は、対象が食品であることもあり、主に家庭や厨房で用いられている調理器具が使用される。調製器具にはいろいろな形式のものがあるが、調製された検体のどの部分を採取しても検体を代表するように適切な調製器具と前処理方法を選択し、調製を行わなければならない。

HACCP制度化に向けた従事者教育

食品業界では、食品衛生法等におけるHACCP※ による衛生管理の制度化が進んでいる。制度化を含む食品衛生法等の一部を改正する法律案が提出され、2018年3月13日に閣議決定され、4月13日に参議院審議にて可決されており、衆議院審議を待つ状況である。

コラーゲンについて

コラーゲンは、動物の体内に最も多く含まれる繊維性たんぱく質であり、からだを構成する全たんぱく質の約30%を占めるといわれている。体内コラーゲンのうち約40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在する。ほかにも軟骨、腱、靭帯などに広く分布し、結合組織の主要な構成成分である1)。食品では、フカヒレや鶏の手羽先、魚の皮などに多く含まれている。また、体内でコラーゲンをつくるためにはビタミンCの摂取が必須である。

食品クレームとDNA塩基配列を用いた微生物の同定

DNA塩基配列を用いた微生物の同定は、その迅速性や簡便性から、食品クレームにおける原因究明法の一つとして広く使用されています。一般的な微生物検査では食品の衛生指標として微生物数を測定することや、病原微生物を検出することを目的としますが、DNA塩基配列を用いた同定法は生物種の決定が目的であり、同定された微生物の分布や生育条件を調べることによって、汚染経路の推測や原因微生物の制御など食品クレームの再発防止に役立てることができます。本稿では、DNA塩基配列を用いた微生物の同定法と、当財団における同定検査の結果事例を紹介します。

ビタミンCについて

食品表示基準では、ビタミンCは、L-アスコルビン酸(還元型ビタミンC)及びL-デヒドロアスコルビン酸(酸化型ビタミンC)を測定の対象とし、その測定値の合計とされている1)。これは、デヒドロアスコルビン酸が生体内で還元され、アスコルビン酸となるためである2)。ビタミンCは、ビタミン類のうち水に溶ける水溶性ビタミンに分類される。L-アスコルビン酸及びL-デヒドロアスコルビン酸の構造式を図1に示す。

たんぱく質の分析方法ついて

2015年4月に食品表示法が施行された。食品事業者にとって、食品表示法の施行に伴う大きな変化の1つが栄養成分表示の義務化である。がん・脳卒中・糖尿病などの食や運動不足に起因する生活習慣病の広がりや栄養成分表示自体の認知度の向上に伴う消費者意識の高まりから、国民の健康的な食生活を営むための基礎的なツールとして活用されることを目的として、栄養成分表示が義務化された。

食品添加物としてのBHA(ブチルヒドロキシアニソール)およびBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)の試験法について

食品添加物の中で、広く一般的に知られている物質に酸化防止剤がある。酸化防止剤には、油脂の酸敗等を防止する目的で食品に添加する物質がある。油脂および油脂性食品は貯蔵中または使用中に光、熱、空気中の酸素などに暴露されると劣化し、各種酸化生成物を生じていわゆる「油やけ」を起こす。酸化防止剤の使用は、それ自身の熱や紫外線に対する安定性などにより添加する食品が決められる1)。 本稿では、酸化防止剤の一種であるBHAおよびBHTとその試験法について紹介する。